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2024.6.26

【ソロ旅レポート⑧】自分だけのために時間を過ごすことができるか?@富山

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旅した人:40代 PR 女性 Yさん
旅  先:富山県 砺波市

行ったことがない土地に行って、やったことのないことにひとりで挑戦してみる。
“積極的に”仕事から離れることで、新しい自分を見つける。
…そんなソロ旅企画で私が考えたのは、「時間やお金を100%、自分のために投資してみる」ことでした。

旅は好きなのですがひとり外食は苦手で、いつもはつい誰かを誘ってしまいます。好奇心旺盛なので、つい旅のプランをみっちり入れ込んでしまいます。食べることが好きなので優先しがち、宿や移動は二の次に。
そこで、地域にはこだわらず、「里山」「ホテル」「ひとり」のワードを入れてネット検索し、ひとり時間を過ごすにふさわしいホテルから決めました。

決めたお宿は富山県砺波(となみ)市。
目指すは里山でしたが、日本海側に出たらどうしても行きたかったのが雨晴(あまはらし)駅です。
富山駅まで新幹線で行き、そこからレンタカーしてソロドライブをすることにしました。ちょうど湾になっているため、目の前は海なのに、その向こうに雪をかぶった立山連峰が見えます。なんてビューティフォーなのでしょう!!数年前の夏に、この立山三山に登頂していたので、改めて遠くから、荘厳で美しい山々を見ることができただけでも価値があったと思います。

現地にあったポスター。実は朝早すぎて霧がかかり、写真のようにはいきませんでした…

次に目指すのは、この時季にしか作らないという砺波市特産品「大門(おおかど)素麺」づくり体験。予約した宿で提案してくれたプランで、指定された時間に、とある駐車場に向かいました。到着すると、先に1台だけ停まっていた車から、元気な女性が出てきました。車を置いて、のどかな田んぼ道を散歩しながら向かいます。

あちこちをめぐる用水路も、きれいな景観のひとつ

手延べした、細くて長い麺をきれいにくるくると丸めてから乾燥させた素麺で、強いコシとすっきりした喉ごしが特徴。
この製法は江戸後期に能登から伝わり、当時60軒以上の農家が作っていたそうです。大門地区では、特定のメーカーではなく農家が、170年以上もこの製法を守り続けています。冬の大門素麺づくりが終わると、春までチューリップづくり、同時に稲作の準備をして、、、と忙しい。
訪ねた工房の社長の若いお嬢さんが、そこに長年パートで働くベテランパートさんたちとおしゃべりしながら作業する中に入れてもらいました(写真下、作業中の4名の右下が私)。


この大門素麺、実は食通の中では有名なローカル素麺だそう。都内で手に入るものは乾物ですが、手づくり体験でおみやげにもらえる半生が希少。火が通りやすいので、目の前の鍋でサッと熱湯をくぐらせるだけの “素麺しゃぶしゃぶ”がおすすめと聞き、家に帰ってから堪能しました。

昭和レトロな統一デザインのパッケージですが、左端に生産者の名前が入るのも特徴

今回訪れた砺波平野は、散居村(さんきょそん)といって、約220キロ平方メートルの広さに屋敷林に囲まれた約7,000戸を越える農家が点在する集落形態です。
それぞれの農家が米作りを中心に、自宅の周りの土地を開拓していったことに由来しているそうです。水はけの良い地形のため、日常の農作業をするためには家と田んぼが近くにあるのが効率がよい、というシンプルな理由からだそう。ただその形態も、現在はお米需要の低迷や少子高齢化などで田んぼが維持できなくなっていたり、お屋敷の後継者問題だったり、課題もあるとのことでした。

日本最大の散居村。
この土地にあった形態で村が形成されていった経緯があるため、どのお屋敷(…と呼びたくなるほどの立派なおうち!)もスタイルが同じ。南西側には、冬は冷たい季節風から守り、夏は日差しを防いで家に吹き込む風を涼しくしてくれる屋敷林(カイニョ)があり、武家屋敷のような家屋(アズマダチ)は全て東を向いています。
それらの伝統が過去のものではなく、いまもそこに人の営みがあるということがすごいことですが、その暮らしがつくる景観そのものが、この地域のアピールポイントになっているということに驚きました。中を散歩したり、丘の上から夕暮れや朝方の眺めを見ることができます。

いずれも散居村ミュージアムのポスターを撮影したもの

今回のソロ旅で泊まったのは、「楽土庵(らくどあん)」という、まさにこの散居村にあるアートホテルです。
実はここ、一般社団法人富山県西部観光社 水と匠というところが運営していて、楽土庵はまさに、この地域の価値を伝えるために拠点として建てられたホテルでした。
併設するショップは、市内の伝統工芸であるガラス細工や、富山の森から採れるクロモジやスギなどから抽出した和精油、ハーブ茶などを販売するアンテナショップにもなっています。宿泊料金の一部が散居村保全活動の基金として使われるなど、旅すること自体が地域資源の保全や、地域の再生・回復につながる仕組み。

田んぼにポツンと立つ、アズマダチ住居を活かした外観
型絵染の人間国宝、芹沢銈介氏の屏風など、各室や館内には民藝、骨董、現代アートが惜しげもなく飾られています

今回のソロ旅では、ひとり時間がたっぷりなので、自分のいま、将来のことなど真剣に自分に向き合おうなんて思っていましたが、そんな時間はいい意味で”全く”取れませんでした!
ネットでの予約から始まり、その後アクティビティの提案、チェックイン時の会話、早朝散歩や散居村眺望見学などなど、どれをとっても丁寧かつ、情報満載のご案内で、どなたと話しても地元愛にあふれていました。
ホテルに紹介してもらって寄った、郷土料理をいただいたお店の方ともいろいろお話し、ひとりランチが寂しくなかったし(笑)、帰りにはご自身の庭で育ったという柿のおみやげまでいただいてほっこり。気づいたら、こちらも皆さんからの話に真剣に向き合い、その魅力を一つでも多く知ろうとアンテナを立てまくってしまいました。

砺波で出会った里山の風景。そこには人がいて、暮らしがあって、穏やかな時間が流れていて、そんなところに身を置いている自分が心地よく、とにかくここでの時間を楽しんでいる自分がいました。
PRの仕事は日々、情報に囲まれています。そこから離れたはずが、奇しくも、砺波市の魅力や散居村の暮らしについて伝えている、すばらしいPRパーソンたちに出会ってしまいました。地域創生や自治体PRではよく、「関係人口を増やそう」といわれています。意味としては、移住した人でも、観光に来た人でもない、“地域や地域の人々と多用に関わる人たち”のこと(総務省HPより)。まんまと!?そのひとりになってしまいました。いまだにふと、散居村のこと、そこで出会った人たちのことを思い出し、思いを馳せてしまいます。
しっかりリフレッシュしながらも、日本の風土、暮らし、文化のPRについてどうあるべきかを考える貴重なソロ旅になりました。

【情報】
24年3月には、「楽土庵」に続き、やはりどの空間もスタイリッシュでおしゃれなのに、気取らず、とても過ごしやすそうな”泊まれる民藝館”「杜人舎(もりとしゃ)」もオープン。民藝運動の創始者・柳宗悦の愛弟子の木工家が設計したという善徳寺内の研修道場を改修しています。砺波市エリア、民藝運動に興味のある方々にもおすすめです。

一般社団法人富山県西部観光社 水と匠
https://mizutotakumi.jp/
となみ散居村ミュージアム
https://sankyoson.com/tour/tradition.html

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