【ソロ旅レポート➀】白川郷散策と素敵な出会い
旅した人:20代 PR部 女性 Tさん
旅先:白川郷・飛騨高山・奥飛騨
飛騨高山は外国人観光客で賑わい、まるで日本とは思えぬほど異国語が飛び交っていた。
一人旅の日本人女性は明らかに浮いた存在だったが、白川郷行きのバスでフランス人女性Audeと隣り合わせになった。
偶然彼女も一人旅で、英語でコミュニケーションをとり仲良くなったため、二人で白川郷を散策することに。
白川郷の合掌造りは勿論素晴らしかったが、Audeと散策することで日本人にはない視点が学べた。彼女は美術品保護のインターンシップをパリのルーヴル美術館で終えたばかり。古い文献が保存されるガラスケースの中はマイナスの温度に保たれていることなど、美術館、博物館の裏側を教えてくれた。その中でも驚いたのは、「日本は再建築の技術に長けている」というところだ。
2019年、フランス・パリのノートルダム大聖堂の一部分が焼失したのは周知の事実だが、焼失部分の材質、建築方法を誰も知らず、フランス政府は現在躍起になって有識者を探しているらしい。
フランスなどヨーロッパでは文化保護が手厚く、現存する建物の状態を維持することには長けているが、再建築する方法の継承がほとんどされていないというのである。
日本でも伝統工芸の後継者不足など騒がれているが、日本では寺社仏閣の再建築が当然のように行われているため、気づきにくい点だ。野外博物館のために伝統的な合掌造りの家屋を再建築することなどが、彼女の目には新鮮に映ったようだった。
散策に疲れたところで、風情豊かなカフェで一休み。
自分の仕事を説明する際、彼女にフランスの食文化について尋ねてみた。
フランスは共働きが多いので、平日の朝はバゲットにコーヒー、ヨーグルトなどいたってシンプル。夕飯も家で簡単に作って済ませることが多いが、週末は少し豪華に家族で食事を楽しんだり、友人を招いて手料理を振舞うこともあるそうだ。
意外にも、モンブランというケーキはヨーロッパにないことも教えてくれた。
「日本の住宅の前にはどうしてペットボトルが置いてあるのか?」といった素朴な疑問まで、彼女の発見はわたしに刺激をもたらした。
住宅前に置かれるペットボトルは、フランスと日本のハーフの人気YouTuberが日本の謎として紹介しているそうだ。普段ペットボトルが置いてあることを気にも留めていなかったので、もっと周りを観察するよう意識したい。
意図せずわたしのソロ旅は「日本の自然と歴史を探求する」というテーマから少々外れ異文化交流となったが、偶然の出会いが新しい視点をもたらしてくれた。
一人旅経験は豊富な方かと思われるが、実は日本での一人旅は初めての経験で、自国の土地や文化への関心が増すきっかけにもなった。旅での気づきは今後の業務に生かしていきたいと思う。
最後に、素敵な企画をしてくださった会社に対して心より感謝申し上げます。