【ソロ旅レポート②】インドア派の私が帯広の大自然の中で体験したこと
旅した人:30代 管理部 女性 Iさん
旅先:北海道 帯広
「風が強く天候が改善しないため、明日のフライトはキャンセルさせていただきます」
私のソロ旅先は北海道の帯広。インドア派の私が、人生初の気球に乗って北海道の大自然を体感する!というチャレンジングな目的を掲げ、寒さ対策も完璧に空港へ向かいましたが、なんと搭乗前に冒頭の連絡が・・・。旅のメインイベントが中止になるという波乱の幕開けでした。
機内で必死に代わりのアクティビティを探すも、近々では難しくあえなく玉砕。
“経験したことのないことに挑戦し、新しい自分を発見する”というソロ旅のミッションがあるのに、「このままではただの観光で終わってしまう…」と絶望しながらもその日は就寝しました。
翌日、ひとまず趣味である神社参拝をしようと早朝の帯広神社へ。
こちらにはエゾリスとシマエナガが訪れるということで、ぜひとも見てみたいとチェックしていたのでした。
到着後、まずは参拝。「どうか新しい視点が得られるような経験が出来ますように」と必死に手を合わせます。
境内を散策していると、遠くに動く影が。早速エゾリスとご対面です。
驚かせないように遠くから静かに動画撮影をしていると、段々と近くの木からもリスたちが姿を現してくれました。だいぶ人馴れしているようです。
シマエナガは1時間粘って“恐らくこれがそうではないか”、という姿をなんとか写真に収めることができましたが、臆病な鳥だそうなので、スマートフォンでの撮影は厳しいと感じました。
そんな時、一本の電話が入りました。
気球ではないですが、その日の夜のアクティビティに急遽参加できるとの嬉しい知らせです。ご利益がこんなにも早くあるとは!ありがとう、帯広神社とエゾリスとシマエナガ!!
夜のアクティビティまでまだしばらく時間があるので、更なる幸運にあやかろうと“縁起が良い”と話題らしい旧国鉄広尾線「幸福駅」へと向かいました。
広大な土地にポツンと佇む駅舎やディーゼルカー。
駅舎の壁一面にピンクの切符型ポストカードが貼られています。中に入ってみると360度ピンクの世界に圧倒されました。
「どうか幸せが舞い込みますように」と祈りながら“幸せの鐘”をしっかりと鳴らし、幸福駅を後にしたのでした。
夜になり、アクティビティへ向かいます。
今回急遽参加できることになったのは、「十勝ナイトリバークルージング」という帯広川を夜にボートで下るというプラン。
なんとナイトリバークルーズを行っているのは日本でこちらだけとのこと!
でも正直なところ、「夜に川下りなんて、真っ暗な中ではせっかくの自然も見えず寒くて怖いだけでは…?」と不安と疑問でいっぱいでした。
集合場所でライフジャケットを装着し、スタッフ紹介を受け、車でスタート地点まで移動。
初めに陸でボートの漕ぎ方の説明を受けますが、実際に乗客が漕ぐことはなく、熟練のスタッフさんが漕いでくださいます。
6人乗りのボートに一人ずつ慎重に乗り込み、クルージングスタートです。
始まってみれば、乗るまでの不安はどこへやら、その魅力に夢中!!
川沿いに街灯はなく、灯りはスタッフさんのヘッドライトと月明かりのみ。
迫りくる枝にぶつかりそうなほど狭い川幅のポイントや、解放感のある広大な流れのポイント、気嵐が立っている様子など多彩な表情を持つ夜の帯広川。
暗闇で遠くが見えないためジャングルクルーズをしているかのようなスリルとワクワク感が沸き上がります。
暗闇と静寂と寒さの中でどんどん感覚が研ぎ澄まされていくのがわかりました。
心地良い川のせせらぎをBGMに吸い込まれそうな満天の星空を見上げていれば、まるで目を開いたまま瞑想をしているかのようで、そのまましばらく忘我の境地になっていました。
気付かぬうちに仕事や日々の生活のことでいっぱいいっぱいになっていたのかもしれません。こうして自然の中に身を投じたことで、頭の中がクリアになっていくのをはっきりと感じました。
すると次第に体の底から力が漲るような感覚がありました。まさに充電された!という感じです。
初めに抱いていた不安や疑問はすっかり消え去り、想像以上に感動して私は高揚していました。
周囲には活動的に見られますが、実は家でまったりするのが好きな私。虫も大の苦手なので、こうして自然の中に飛び込むことはちょっと勇気のいる事でした。
それでも一歩踏み出してみたから、こうして味わったことのない感動に出会えたのです。終わってみると充実感でいっぱいでした。
食わず嫌いをせず、たくさんのことを体験して、もっといろんな世界を見てみたい!と新しい目標ができたソロ旅でした。