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2024.1.23

【ソロ旅レポート③】中山道 / 馬籠宿から妻籠宿を歩く

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旅した人:50代 管理部 女性 Sさん
旅先:岐阜県馬籠宿~長野県妻籠宿

~某TV番組にインスパイアされ、中山道を歩いてみた~

江戸時代に整備された五街道のひとつ、中山道(なかせんどう)。その中山道を歩く人たちをウォッチングするというTV番組を見た。
岐阜県の馬籠宿(まごめじゅく)から長野県の妻籠宿(つまごじゅく)を結ぶ木曽路は、往時の面影を今なお色濃く残している道として特に有名だ。番組では、当時の宿場である馬籠宿と妻籠宿を往来する人たちの姿を映し出していた。彼ら彼女らがそこを訪れる理由は忘れてしまったけれど、その番組を見終えるころには、私はすでに「いつか、必ず、ここに行く」と決めていた。

馬籠宿にある藤村記念館。中津川市馬籠は、文豪・島崎藤村生誕の地。
馬籠宿は、名作「夜明け前」の舞台にもなっている


およそ半年後、チャンスが訪れた。会社から「新たな自分を見つけるソロ旅をして来い」という企画(ご褒美)が与えられ、私は中山道を歩く旅を選んだ。


新幹線と鉄道・バスを乗り継いで東京からおよそ4時間。岐阜県中津川駅から馬籠宿へ向かうバスの乗客は8~9割が海外からの観光客で、ここにもインバウンドの波が押し寄せていた。
ぎゅうぎゅう詰めの車内にフランス語やイタリア語、ドイツ語らしい言語が飛び交うなか、およそ30分ほどでバスは馬籠宿に到着した。

江戸から京をつなぐ中山道の道。このあと道は、深い山中へと入る道となる

江戸時代の面影をのこす宿場・馬籠宿には、観光地によく見かける派手な看板やショップはない。石畳の道の両側には出梁造りの古い家屋が建ち並び、土産物店などが静かに営まれている。途中、季節ならではの茶菓子などをいただきながらのんびりと町歩きを楽しむ。

季節の茶菓子を軒先でいただく。

宿場町を抜けると、次の妻籠宿までは緩く上る山道を歩くことになるのだが、さほど困難な道ではない。
集落を縫うようにつなぐ道を抜けると、標高790メートルの馬籠峠を越え、そこからは徐々に下りの道となる。深い木立の中や竹林の道を進み、ふたつの滝が出現する。この古(いにしえ)の道では、歩き続けることに飽きることはない。時折、目が覚めるほどに赤く染まった紅葉が、しびれるほどに美しい。

道中にはクマ除けのベルが多く設置されていて、旅人はベルを鳴らして歩く

馬籠宿から妻籠宿まではおよそ9キロの道のり、普通に歩いて3時間ほどといわれているが、そんな短時間で通り抜けてしまうにはあまりにも勿体ない。急がずゆっくりとニッポンの風景や自然や歴史を感じながら歩きたい。

もうひとつの宿場・妻籠宿に辿り着き、ほっとひと息つきながら観光パンフレットに目を通していると、これらの宿場と街道がどうしてこれほどまでに美しい状態のままの景観を残すことができているのか、その理由を知ることができた。

~「売らない」「貸さない」「こわさない」の三原則で街並みを保存~

長野県妻籠宿の町並み

「・・・妻籠住民は、保存をすべてにおいて優先させるために、昭和46年、妻籠宿と旧中山道沿いの観光資源(建物・屋敷・農耕地・山林等)について、「売らない」「貸さない」「こわさない」の三原則を貫くことを決めた。現在も妻籠住民によって、その住民憲章が守られている・・・」・・・ 妻籠住民憲章といわれるものらしい。

なるほど・・・江戸時代に整備され、参勤交代をはじめ数知れない旅人たちが歩いた道は、これら人々の思いにより守られているのだ。

自然と「美しい日本を後世に残してくれて、ありがとう!!」と感謝の念が沸き上がり、心の中で合掌。

私の知らない日本はまだたくさんありそうだ。 “ 新たな自分を見つけるソロ旅 ”は  “ 美しい日本を再発見するソロ旅 ” となった。

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